前回にひきつづき、特にこの梅雨時期に気をつけたい問題について、今回は食中毒についてお話していきたいと思います。
さて、食中毒を引き起こす菌には以下の3種類があります。
・病原大腸菌⇒大腸菌ですが、この大腸菌はもともと人間や家畜の腸内に存在していて、約180種類もあります。
そのうちの大半は無害なのですが、中には人に下痢を起こさせるなど害のあるものがあり、それらは病原大腸菌と呼ばれます。
・サルモネラ菌⇒食肉やたまごなどが主な原因食品。腹痛や下痢を伴います。
・腸炎ビブリオ菌⇒海産物が主な原因食品。激しい腹痛や下痢を伴います。
ここからは、特に有名なO-157についてご説明致します。
まず、O-157とは、正式名は「腸管出血性大腸菌O-157」と言い、病原大腸菌の1つです。
「O」とは、「O抗原体を持っている」と言う意味で、157番目に見つかったので、この名がついています。
感染すると激しい腹痛とともに血便となることがあるが、これはO-157が作り出す「ベロ毒素」という
強力な毒素が大腸を攻撃するため、出血が起こります。
二次感染が起こるのも特徴で、平成8年度には「指定伝染病」に指定されました。
過去の感染事例を見てみると、原因となった主な食品は、貝割れ大根や水、牛肉、キャベツなどがあります。
成人では感染しても症状が出なかったり、あっても気にならない程度の下痢だけの場合がほとんどですが、
乳幼児、小児、高齢者の方では重症に至る場合もありますので、特に注意が必要です。
また、一般の食中毒(サルモネラ菌や腸炎ビブリオなど)が100万個程度の大量の数の細菌が侵入しないと症状が現れないのに対し、O-157は100~1000個という少ない数でも発症します。
このことから、O-157の感染力の強さがうかがえます。
感染経路としては、O-157に汚染された食品を食べたり、汚染された井戸水を飲んだりすると感染します。
感染者の場合は、菌は消化管にいるので、空気感染はしません。
手を洗うなど清潔にしている保菌者の場合は、皮膚と皮膚の接触も問題はありませんし、
接触後、調理や食事の前にしっかりと手洗いをし、殺菌すれば、保菌者との接触による感染は起こりません。
また、血液中には存在しませんので、保菌者の血液からの感染もありません。
潜伏期間は3~8日間で、毒素が出るのはそれからです。
熱に弱いという特徴を持っているため、75度で加熱をすると、1分で死滅します。
それでは、O-157他、細菌性食中毒を予防するためにはどうしたらいいのでしょうか。
・食べ物に食中毒菌をつけないようにする。(清潔・洗う)
⇒食品に細菌が付着していなければ、他の条件が整っても増えません。原材料についている細菌は、よく洗い流しましょう。また、とにかく手を洗い、消毒をしましょう。
調理器具は使用目的に応じて、使い分け、十分洗浄、乾燥しましょう。
また、冷蔵庫内の二次汚染を防いだり、衛生害虫の駆除に努め、食品に細菌がつかないようにしましょう。
・食中毒菌を増やさない。(低温管理・迅速)
⇒原材料は採取された場所で、食品は流通加工の段階で二次汚染し、細菌が付着します。食品は計画的に購入するようにする(まとめ買いをして冷蔵庫で長期保存をしない)鮮度のよいもんを選ぶ、、先入れ先出しを心がけましょう。
冷蔵庫、冷凍庫への詰めすぎにも気をつけましょう。
大量に保存することで、庫内の温度を下げてしまいます。
とにかく、細菌が増殖する時間を与えないことがポイントです。
また、調理の際は、常温で食品を長い時間、放置したりせず、作業は迅速に行うようにしましょう。
加熱調理した食品は出来るだけ早く食べるようにしましょう。作り置きなども、この時期は避けたいものです。
10℃以下で保存すると、食中毒原因菌は増殖しなくなります。
さらに、冷凍すると、細菌は死滅はしないまでも増殖はしません。
・食中毒菌を死滅させる。(加熱殺菌・消毒)
⇒細菌は上でも説明したように熱には弱いので、煮たり焼いたりして中心部までしっかりと加熱すれば細菌を死滅させることが出来ます。
以上の食中毒予防3原則を守ることが基本です。
また、細菌が増えるためには、温度、水分、栄養が必要です。細菌を増やさないためには、
この条件を少しでも取り除くことが重要といえるでしょう。
小さなことから気をつけて、しっかりと対策を講じ、食中毒を予防しましょう。
